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総合演習 — AI でプロジェクトを1件完結させる

このレッスンのゴール

このレッスンはコースの集大成(=キャップストーン)です。

💡 「キャップストーン (Capstone)」とは? 建物の頂上に最後に置く「冠石」のこと。学習の世界では「これまで学んだことを全部使って仕上げる総まとめ課題」を指します。知識を1つの作品に変えるのがねらいです。

これまで学んだ次の3つをバラバラの知識のまま終わらせず、つなげて使うことを目指します。

学んだこと このレッスンでの使いどころ
AI Native の考え方 「どこを AI に任せ、どこを自分で決めるか」を判断する
プロンプト技術 AI に的確な指示を出して、欲しい成果に近づける
ツール活用 複数の AI ツールを組み合わせて1つの成果物を作る

ゴールはシンプルです。リアルなプロジェクトを1件、最後まで完結させること。 完璧さよりも「最後まで終わらせた経験」を大切にしてください。


はじめに:3ステップの全体像

どのプロジェクトを選んでも、流れは同じ3ステップです。まずこの地図を頭に入れてください。

[1] 決める        [2] AIと作る         [3] 自分で仕上げる
─────────       ─────────         ─────────
テーマを1行で     AIに下書きを     事実確認・自分の言葉で
ハッキリさせる  →  作ってもらう  →   修正して完成させる
(人間の仕事)     (AIの仕事)      (人間の仕事)

🔑 覚えておきたい原則 AI は「下書きを高速で作る相棒」。最初の方向づけ(テーマ決め)と、最後の判断(事実確認・修正)は人間の仕事です。この役割分担こそ、このコースで一番伝えたいことです。


演習の選択肢(A・B・C のいずれか1つを選ぶ)

自分の仕事や興味に近いものを1つ選んでください。難易度は星の数で表しています。迷ったら、職種を問わず取り組みやすいプロジェクト Aがおすすめです。

プロジェクト 難易度 こんな人に
A プレゼン資料を作る ★★☆☆☆ まず気軽に成果を出したい人
B 業務マニュアルを作る ★★★☆☆ 自分の仕事を整理・共有したい人
C リサーチレポートを作る ★★★★☆ じっくり調べてまとめたい人

プロジェクト A: AI でプレゼン資料を作る

難易度: ★★☆☆☆

ゴール: 自分の業務や興味テーマについて、5〜7スライドのプレゼン資料を完成させる

使用ツール:

  • Claude / ChatGPT(構成・文章生成)
  • Canva AI または Gamma.app(スライド自動生成)

手順:

  1. テーマを1行で定義する(例:「AI が変える採用活動」)
  2. Claude に「5スライドの構成案を作って」と依頼
  3. 各スライドの本文を生成
  4. Gamma.app などに貼り付けてデザイン化
  5. 自分でレビューして3箇所以上修正

完了条件: PDF または URL で共有できる状態になっている

📝 プロンプト例(コピーして使えます) 「『AI が変える採用活動』をテーマに、5枚構成のプレゼンの骨子を作ってください。各スライドはタイトルと、伝えたい要点を3つの箇条書きで示してください。聞き手は AI に詳しくない社内のメンバーです。」

⚠️ つまずきポイント AI が作ったスライドの数字やグラフは、そのまま信じないこと。事例や統計が入っていたら、出典を確認しましょう(→ 詳しくはプロジェクト C のステップ5)。


プロジェクト B: AI で業務マニュアルを作る

難易度: ★★★☆☆

ゴール: 自分の仕事の1プロセスについて、新人でも実行できるマニュアルを作る

使用ツール:

  • Claude(構造化・文章生成)
  • Notion / Google Doc(保存・共有)

手順:

  1. マニュアル化したい業務を1つ選ぶ
  2. 業務の手順を箇条書きでメモする(AI なし)
  3. Claude に「以下のメモを新人向けマニュアルに整えてください」と依頼
  4. 「もし〇〇の場合は?」という例外処理を追加させる
  5. 実際に新人役で読んで確認し、不明点を Claude に追加させる

完了条件: 第三者が見て実行できるレベルの文書になっている

📝 プロンプト例(コピーして使えます) 「以下は私が普段やっている業務の手順メモです。これを、入社1週間の新人が読んでも迷わず実行できるマニュアルに整えてください。専門用語にはカッコ書きで説明を添えてください。〔ここにメモを貼り付け〕」

💡 なぜステップ2で「AI なし」なのか? 自分の頭の中の手順を先に書き出すことで、AI に渡す「材料」が正確になります。材料が曖昧だと、AI はそれらしいウソ(後述のハルシネーション)で埋めてしまいます。良い材料 → 良い下書きです。


プロジェクト C: AI でリサーチレポートを作る

難易度: ★★★★☆

ゴール: 自分が関心あるテーマについて、2,000字以上のリサーチレポートを完成させる

使用ツール:

  • Claude / Perplexity(調査・文章生成)
  • Google Docs(執筆・編集)

手順:

  1. テーマを決める(例:「中小企業の AI 活用現状と課題」)
  2. Perplexity で最新情報をリサーチ
  3. Claude に「以下の情報を元に構成案を作って」と依頼
  4. セクションごとに文章を生成・編集
  5. 事実確認: 数値・引用は必ず一次情報を確認
  6. 結論・提言セクションは自分の言葉で書く

完了条件: 他者に読んでもらえる品質の文書になっている

⚠️ ステップ5が最重要:一次情報とは? 「一次情報」とは、その数字や事実が最初に発表された元の資料のことです。例:政府の統計サイト、企業の公式発表、論文そのもの。AI やまとめ記事は「二次情報」なので、必ず元をたどって確認します。これがレポートの信頼性を守る最後の砦です。


用語集(つまずいたらここに戻る)

用語 かみ砕いた意味
プロンプト AI への「指示文」。具体的なほど良い結果が返る
ハルシネーション AI がもっともらしいウソを自信たっぷりに作ること
一次情報 数字や事実が最初に発表された元の資料
キャップストーン 学びの総まとめとして作る1つの作品
レビュー 成果物を見直し、おかしい所を直す作業

振り返りシート

プロジェクト完了後に記録してください。この振り返りこそが、次に活きる一番の学びになります。

【プロジェクト名】
【選んだプロジェクト】A / B / C

【AI の貢献が大きかった部分】


【自分が判断・修正した部分】


【AI の出力で直した箇所】


【次回やるなら変えたいこと】


【このコース全体の学び】

💡 書き方のコツ 「AI が直してくれた」ではなく「自分がどこを直したか」を具体的に書くのがポイント。これが「AI を使いこなす力」の証拠になります。


まとめ

  • このレッスンの目的は、知識を1つの完結したプロジェクトに変えること。
  • どのプロジェクトも流れは同じ:①テーマを決める → ②AI と下書きを作る → ③自分で事実確認・修正して仕上げる。
  • AI は「下書きを高速で作る相棒」。方向づけと最終判断は人間の仕事。
  • 数値・引用は必ず一次情報で確認する(ハルシネーション対策)。
  • 完璧を目指すより、最後まで完結させた経験を持ち帰る。

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