Agentの主要コンポーネント
学習目標
このレッスンを終えると、次のことができるようになります。
- AI Agent の 4 つの主要コンポーネント (LLM・ツール・メモリ・オーケストレーション) を説明できる
- 自分のユースケースで「シングル Agent / マルチ Agent」のどちらが適切か判断できる
- メモリの 3 種類 (短期・長期・作業) を使い分けられる
Agentの主要コンポーネント
AI Agentは4つの主要コンポーネントで構成されます。 これらが組み合わさることで、Agentは「自律的に考えて行動する」能力を持ちます。
1. LLM(思考エンジン)
AgentのコアとなるLLMが、計画立案・判断・回答生成を担います。
2026年5月時点では、Claude Opus 4.7 / Sonnet 4.6 / Haiku 4.5、OpenAI GPT-5 系、Gemini 3.1 Pro などが Agent 用途で使われます (詳細は docs/operations/ai-source-registry.md)。
LLMがすることは大きく3つです:
- 計画立案: 目標達成に必要なステップを考える
- ツール選択: 次にどのツールを使うかを判断する
- 出力生成: 最終的な回答・報告書・コードなどを作成する
2. ツール(実行能力)
LLMが呼び出せる機能の集合。ツールがなければAgentは「考えるだけ」で行動できません。
| ツール | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| Web検索 | 最新情報の取得 | Perplexity API, Bing API |
| コード実行 | 計算・データ処理 | Python sandbox, E2B |
| ファイル操作 | ドキュメントの読み書き | ローカルFS, Google Drive |
| API呼び出し | 外部サービス連携 | Slack, Gmail, Salesforce |
| データベース操作 | 構造化データの読み書き | PostgreSQL, BigQuery |
ツールは多いほどAgentの能力が上がりますが、セキュリティリスクも比例して増加します。
3. メモリ(記憶)
Agentが「覚えている」ものの仕組みです。
| 種類 | 説明 | 具体例 |
|---|---|---|
| 短期メモリ | 現在の会話・タスクの文脈 | コンテキスト窓内の会話履歴 |
| 長期メモリ | 過去のタスク結果・知識の蓄積 | ベクトルDB (pgvector等) に保存 |
| 作業メモリ | タスク実行中の中間状態 | ファイルへの一時書き込み |
長期メモリがあると、「先週調べた内容」を次のタスクで再利用できます。 ailmsでは pgvector を使った長期メモリを実装しています。
4. オーケストレーション(制御)
複数のAgentやツールを協調させる仕組みです。
- シングルAgent: 1つのAgentが計画から実行まで全て担当。シンプルなタスク向き
- マルチAgent: 役割分担を行い複数Agentが協力する
- 調査Agent → 実行Agent → 検証Agent の順に渡す
- 並列実行Agent: 複数のサブタスクを同時に処理
マルチAgentの具体例 (ailms コース生成パイプライン):
1. 調査Agent: カリキュラム設計 (LLM + Web検索)
↓
2. 生成Agent: レッスン本文の執筆 (LLM)
↓
3. 品質チェックAgent: ファクトチェック・語数確認 (LLM + ルール)
↓
4. 人間ゲート: 最終確認と承認
まとめ
- AgentはLLM + ツール + メモリ + オーケストレーションで構成される
- ツールが多いほど能力は上がるが、セキュリティリスクも比例して増す
- マルチAgent構成は複雑なタスクに有効だが、設計難易度とデバッグコストが上がる
- ailmsのAIパイプラインもこの4要素で設計されている
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