無料プレビュー 2 / 5

AIに渡す情報を分類し、持ち出しを防ぐ

このレッスンのゴール

  • AIへ入力する前に、情報を公開・社内・機密・個人情報・認証情報に分類できる
  • マスキング、最小化、承認の三つを使って入力データを減らせる
  • サービスの利用規約やデータ保持・学習設定を、推測ではなく公式情報で確認できる

「入力できる」と「入力してよい」は別

AIの入力欄に貼れるからといって、貼ってよいとは限りません。顧客名、メールアドレス、契約書、未公開の企画、ソースコード、APIキー、パスワードは、組織の規程や契約により扱いが変わります。個人情報保護委員会も、生成AIサービスへ個人情報を入力する場合は、提供者がその情報を学習データとして利用することが予定されているかなど、利用規約を確認するよう注意喚起しています。

判断に迷ったら「この入力がそのまま公開されても説明できるか」を考えます。説明できない場合は、まず入力しない、または管理された環境と承認済みの手順を使います。

入力前の五分類

分類 例 基本動作
公開 公開済みの自社ページ、一般公開資料 出典と公開範囲を確認して使う
社内 社内手順、公開前の議事メモ 組織で承認されたサービスだけで使う
機密 契約条件、未発表計画、営業秘密 原則入力しない。必要なら責任者と手順を確認する
個人情報 氏名、連絡先、識別可能な相談内容 目的・権限・委託先・保存先を確認し、最小化・匿名化する
認証情報 パスワード、APIキー、秘密鍵、セッション情報 入力禁止。検出したら利用を止め、失効・交換を行う

「匿名化したつもり」でも、日付、所属、固有の出来事を組み合わせると個人を推測できることがあります。氏名だけを置き換えるのではなく、不要な項目を削り、必要な場合は値を粗くします。例として、実在の顧客情報を使わず「顧客A」「月次売上の傾向」のような合成データで下書きを作ります。

送信前チェック

  1. このデータは誰のものか。本人・顧客・取引先・自社の秘密のどれか
  2. このサービスの提供者、保存先、利用目的、学習・保持設定を公式情報で確認したか
  3. 目的達成に不要な列・文章・添付を削ったか
  4. 認証情報、個人情報、秘密の断片が残っていないか
  5. 入力と出力を誰が確認し、いつ削除するか決めたか

「学習に使われない設定」だけで安全になるわけではありません。誤送信、アカウント侵害、共有設定、ログ、連携先など別の経路もあります。サービスの設定名やプランは変わるため、古い記事やAIの回答ではなく、利用時点の公式文書を参照します。

事故が疑われるとき

秘密情報を入力した場合、画面を閉じるだけでは不十分です。組織のインシデント窓口へ連絡し、APIキーやパスワードなら発行元で失効・交換し、利用履歴と共有範囲を確認します。個人情報が含まれる場合は、自己判断で削除や隠蔽をせず、社内の責任者・法務・プライバシー担当の手順に従います。

まとめ

データ漏えいを防ぐ第一歩は、AIの設定を探すことではなく、入力する情報を減らすことです。分類、最小化、承認、公式情報の確認を一組の手順にし、実在データではなく合成データで試します。

Q1. APIキーをAIへ入力してしまった可能性がある場合、最初の対応として適切なものはどれですか。

  • 会話を削除し、同じキーをそのまま使い続ける
  • 利用を止め、発行元で失効・交換し、組織の窓口へ報告する
  • AIに「このキーを忘れて」と指示すればよい

Q2. 顧客データを使って要約の試作をするとき、最も安全な進め方はどれですか。

  • まず合成データで試し、必要性・承認・サービス条件を確認してから最小限で扱う
  • 氏名だけを伏せれば、他の情報はすべて入力してよい
  • AIが社内利用なので、サービス条件を確認しなくてよい

Q3. 「入力データを学習に使わない」という設定について正しい説明はどれですか。

  • 設定すれば誤送信やアカウント侵害も起きない
  • 一つのリスクを下げるが、誤送信・共有・ログ・連携先など別の確認も必要である
  • 設定の有無は利用規約や公式文書では確認できない

振り返り

自分の業務でAIに渡している情報を五分類に分け、入力禁止のものを二つ決めてください。そのうえで、実在データを使わずに同じ作業を再現する合成データの例を作ります。

参考資料

※個人情報・営業秘密・契約上の秘密の扱いは、対象となる法令・契約・社内規程で決まります。本レッスンは個別の法的判断を提供するものではありません。

全 5 レッスンを、登録なしで無料で読めます。